不動産査定に多い一括査定サイトの注意点
不動産をお持ちの方に向けて、相談実績豊富な不動産会社が、相続物件の査定と一括査定サイト利用の注意点をご紹介いたします。不動産の価値を正しく知ることは、相続問題の回避や物件売却に役立つものです。
不動産を相続したら査定を依頼したほうがいい理由
名義人が亡くなった場合や、離婚する場合など、不動産の相続が発生したら査定をおこなったほうがトラブルになりません。査定をしたほうがよい理由を詳しく解説いたします。
遺産分配のトラブルを防ぎやすい
不動産の価値は年月や地価によって大きく変化します。購入額の半値以下になることも少なくありません。「だいたいこれくらいだろう」で遺産分配をしてしまうと、トラブルになりやすいです。下記で一例を挙げてみます。
●1000万円の現金の代わりに不動産を受け取ったら400万円の価値しかなかった
●2000万円で売れると想定して、分配を決めたら1000万円にしかならなかった
●想定よりも高い価値がつき、後から不公平だと言われて揉めてしまった
など、不動産の時価が曖昧なことで発生するトラブルは少なくありません。固定資産税評価額で判断することも多いですが、時価と固定資産税評価額には乖離が発生しますので、査定を依頼したほうが間違いないでしょう。査定をおこなえば不動産の価値が金額として可視化できるため、遺産分配がスムーズでトラブルも防ぎやすくなります。
不動産の査定書が手に入る
不動産の査定をおこなうと査定書が手に入ります。この査定書は前述した遺産分配のトラブル防止にも役立ちますが、物件を売るときにも活用できるものです。自分が所有している財産の時価を把握しておくことは重要ですので、書面として残しておけるのは大きなメリットでしょう。
一括査定サイトのココが知りたい
不動産の一括査定サイトは、複数の不動産会社での査定を一括でおこなえます。より好条件の不動産会社を見つけるのに便利そうですが、思わぬ落とし穴があることも。不動産一括サイトの知っておきたいポイントをご紹介いたします。
「査定額が高い=高く売れる」ではない
不動産会社がおこなう査定は、あくまでも「売却できそうな価格」です。不動産会社が買い取る価格や、価値を保証するものではありません。そのため、査定額が高くついたとしても、必ずしも査定額と同等以上の金額で売れるとは限らないのです。
売り手は少しでも高く売りたいわけですから、査定額が高い不動産会社を選びます。その心理を利用して、無理のある高い査定を出す業者もゼロではありません。相場よりも高すぎる査定額は疑ったほうがよいです。
査定方法は2種類から選べる
一括査定サイトの査定には「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。それぞれの特徴をまずは知っておきましょう。
机上査定
査定方法:過去のデータに基づいた簡易査定
査定期間:即日~数日
予約:不要
対面:不要
訪問査定
査定方法:実際に物件を見て個別事情や環境を確認する高精度査定
査定期間:訪問後1週間前後
予約:必要
対面:必要
机上査定はネット上でデータを入力し、その内容と過去の市場データから査定額を算出する手軽な査定です。あくまでもデータ上のみで判断するため、物件ごとの事情は考慮されません。訪問査定は、不動産会社が物件を直接見て、周辺環境や日当たり、建物の状態、劣化具合など、個別の事情をしっかりと確認します。
より高精度で販売価格の参考になるのは訪問査定です。しかし、業者ごとにスケジュール調整が必要で負担が少なくありません。どちらにするか検討してから一括査定サイトを利用しましょう。
一括査定ではわからない部分もある
不動産会社には、広範囲をカバーしている大手や店舗用物件に特化している業者、地域密着タイプなど様々なタイプがあります。売りたい物件と不動産会社が得意な分野が一致しているほど有利な条件で売却できます。一括査定の内容だけではわからない部分も多いため、ヒアリングをおこなってよりよい業者を探すことも大切です。
連絡手段の希望をしっかり伝えよう
不動産会社が無料で査定をおこなっている最大の理由は物件の確保です。そのため、一括査定サイトを利用すると、机上査定だけだとしても不動産会社から連絡が入ります。頻繁に連絡をしてくる業者もいるため、連絡手段の希望は必ず伝えましょう。メールのみ、電話は日中のみOKなど、負担にならないように指定してください。